アートにまつわるさまざまプロジェクトを展開している豊島区。2021年9月から2022年1月にかけて行われた「としま編んでつなぐまちアート2021」は好評を博し、2022年度も実施することが決定した。今回は、この人気のアートプロジェクトが、一体どんなプロジェクトなのかをその真相に迫る。
あらゆるものを編みくるんでまちの姿を一変!
新しい池袋のアート&カルチャーを創出する「としま編んでつなぐまちアート」
「としま編んでつなぐまちアート」は、毛糸を使い、公園の樹木や建築物を編みくるむ「ヤーンボミング」で、人とまちをつなぐアートプロジェクト。池袋に愛着を持つ人々と一緒に新しい池袋のアート&カルチャーを創出する。「何度も訪れたくなる池袋」の実現を目的に、2021年に株式会社サンシャインシティと株式会社日比谷アメニスがチームを組んで開催された。また、本プロジェクトには、毛糸玉の協賛やモチーフ制作、宣伝告知といった形で、さまざまな企業や団体が参加。まちを盛り上げようと、地域一丸となって取り組んだプロジェクトだ。
デザインテーマは「編みふくろうの森」
全国から集まったモチーフは5,000枚以上!
ヤーンボミングで使う編みものモチーフは、本プロジェクトの総合監修を担当する編み師203gow氏とその他の講師陣による編みものワークショップ、高齢者施設などの池袋にある各施設で実施された各ワークショップにて制作。その他にも、チラシやWEBサイトに編み図(編み物用設計図)を公開し、全国からモチーフを募集し、2021年9月から11月の募集期間に、全国約480名、5000枚を超える色とりどりの毛糸でできたモチーフが集まった。
集められた長さ48cm×高さ16cmのモチーフは今回のデザインテーマである「編みふくろうの森」の形にするため、スタッフによってつなぎあわせ、作品が完成。ちなみに「ふくろう」は、羽根を広げた姿が区の形に似ているとして、豊島区のシンボルになっている鳥だ。
モチーフで区内のあらゆるものを編みくるみ!
3か所の主要展示会場でお披露目
全国の参加者の想いが編み込まれた作品を豊島区のまちなかに展示することで、本プロジェクトは完成する。そのため、プロジェクトの最後の工程として、203gow氏をはじめとするスタッフやプロジェクト参加者が、すべての作品を用いて、IKE・SUNPARK(としまみどりの防災公園)の約100本の樹木やJR池袋駅構内にある「いけふくろう」など、区内のまちなかにあるものを編みくるんだ。作業が完了した後は、2021年12月から2022年1月の2か月間、IKE・SUNPRK(としまみどりの防災公園)、JR池袋駅構内「いけふくろう」、西武池袋本店9階屋上「食と緑の空中庭園」の3か所を会場とした展示を実施。展示期間中は、たくさんの人があたたかみある編みふくろうに包まれたまちの景色を楽しんだ。
展示終了後、作品の一部はIKE・SUNPRK(としまみどりの防災公園)の貸出用ラグにリメイクされたり、高齢者福祉センターへ寄贈され、今も区内で活用されている。
2022年度も開催が決定!
みんなで参加して豊島区を盛り上げよう
「としま編んでつなぐまちアート」の終了後、「自分も参加したかった」など、参加に意欲的な声も出るなど好評を得た本プロジェクト。この結果を経て、何と今年も開催することが決定した。今年は昨年の開催目的に加え、豊島区制90周年事業の一環として行われる予定で、ワークショップや展示を行う開催場所も拡大。前回の3か所に、さらに「サンシャインシティ」「東池袋中央公園」「中池袋公園」「南池袋公園」「自由学園明日館」などの施設が追加されることが決定している。としま編んでつなぐまちアート2022の詳しい情報をぜひチェックしてみてほしい。