P-144(ピーイチヨンヨン)
2024年3月でオープン1周年を迎える「P-144」は、スパイスや薬膳を使った料理とドリンク、クラフトビールがたのしめるお店。株式会社サンシャインシティとgood mornings株式会社が共同で立ち上げた、新しいまちのコミュニティ拠点だ。昨年の夏に料理人のNEWスタッフがジョインして、料理がさらにパワーアップ。「目指すはビブグルマン獲得!」と意気込むマネージャーの草開さんと、シェフの花上さんにインタビューした。
料理のプロとお客さんを理解するマネージャー。新タッグで大進化の予感
池袋駅東口からすぐのサンシャイン通り沿いにある「P-144」。オープンから半年は正直、「店を回すだけで一杯一杯だった」というマネージャーの草開さん。しかし昨年夏に強力な助っ人・花上シェフがジョイン。若干25歳と、若いながら、ホテルやレストランで経験を積み、料理人としての能力をまちの中で活かしたいと「P-144」を運営するgood mornings株式会社で働くことに決めた。草開さんと花上さんのコンビが、2年目のお店のキーとなりそうだ。
花上「外資系のホテルを経て、京都のレストランで働き、地元が神奈川なので、こちらに戻ってくるタイミングでgood morningsに入社を決めました。レストランで働くことも考えたんですが、もっと幅広い分野で料理の力を活かしたくて、まちづくり×飲食というところに興味を持ちました。これまでは厨房から出ることがなかったので、お客さんと接するのは新鮮ですし、0からメニューを考えるのも面白いです」
草開「花上くんは後輩だけど、自分にないものを持っているのでもうパートナーですね。ルーキーです。彼が入ってくれたことで、料理のクオリティは急激に上がりました。それに僕と感覚が似ているのか、すべてを話さなくても理解してくれて、コミュニケーションも円滑。きっと大事にしている部分が一緒なんだと思います」
花上「草開さんも僕に足りない部分を埋めてくれるので、すごいなと思っています。たとえば料理を試作して、何か足りないと思いつつ答えを見つけられないまま草開さんに食べてもらうと、的確なアドバイスをくれる」
草開「うるさいよね僕。塩分量とか細かいこと(笑)。でもこのお店のリズムとか過ごし方に合う味ってあると思うんです。たとえばお酒をたくさん飲んだ時に、この味のもの食べたいかとか。料理のプロと、食べ手を理解している僕がタッグを組めたから、これからどんどん良くなりますよ」
まだどんな店にもなっていないし、これからも捉われない!
「P-144」はどんな店ですか? と聞くと、「まだどんな店にもなってないです」という草開さん。地下1階と地上3階建の店舗は、使い方無限大。自由にたのしんでもらえる空間になっていきたいと話す。
草開「昼は定食のランチメニューやカレー、夜はクラフトビールとスパイス料理が楽しめます。シーンや人数によっていろいろな使い方ができるのが、うちの良いところ。1階は開放的なパブスタイルで、カウンターで立ち飲みしたり、テーブル席で食事をしたり。春夏は外の道にもテラス席も設けたいな。2階と3階は、それぞれ最大40名ほど入ることができる広い空間なので、貸切やイベントに。昼間は静かにお茶できるし、電源もあるのでPC作業もできます。地下はよりプライベート感のある空間で、クローズドなミーティングや会食におすすめ。こちらも最大20名ほど収容できます。あとはまちの人たちとイベントも行っていて、3月は1周年の企画や、『STUDIO201』と一緒にアートフェアを開催。今は中2階で、西口にある『HANABAR』さんとコラボ展示や物販をやっています」
花上「食のイベントもよくやっていて、2月9日から25日には『めぐるめくプロジェクト』と一緒に『日向夏フェア』を行いました。(取材は2月上旬)秋田県男鹿市のクラフトサケ醸造所『稲とアガベ』さんが宮崎市原産の日向夏を使って作ったお酒のプロモーションイベントや、男鹿市と宮崎県宮崎市の食材を使った、スペシャルメニューなども好評でした」
草開「まちの人たちに自由に使ってもらえる場でありたいので、どんな店にもなりたくないかもしれません。地域のコミュニティ拠点として、お客さんや周辺のお店、地元企業さんとコラボなど、積極的にやっていきたいですね」
2年目、目指すはビブグルマン
花上さんを得て、本格的に料理に力を入れていくことを決意した草開さん。心の中で密かに抱くのは、ビブグルマン獲得だ。
草開「今までは私だけでは不可能だったことが、花上シェフも入ってピースがそろったので、それはもう目指すはビブグルマンだと思っています。逆にそれを目指さないとナンセンス。いまは笑われるかもしれないけれど、きっと達成できると変な自信が湧いています」
花上「僕もこれからはもっと突出した料理を出して行きたいという気持ちがあります。スパイス料理をベースにしながら、もっと食材にこだわっていきたい。まずは産地や栽培方法にこだわった、良い野菜を使っていけたらと思っています」
草開「それこそ豊島区産の食材とか、あればいいのにね。うちの屋上で養蜂や菜園をやるのもいいよね」
花上「そうですね。僕はまだまだ池袋のまち自体を探索できていないので、もっともっと知っていきたいですね。気になるお店にも行ってみたいです」
草開「池袋社会見学をやらなくちゃな! よし、今年度中にやろう!」
とにかく料理を食べにきてほしい。2年目の決意表明
花上「これからイベントも増えますし、通常メニューもどんどんブラッシュアップするので、自分の作っている料理を食べにきてください! できれば感想もほしいので、ぜひ直接話しかけていただけたらうれしいです」
草開「僕はまずは、様々な企業とコラボしたいですね。2周年グッズは企業連動で作りたい……。うちの料理を食べにきていただきたいし、地元とも連動していろいろなことを仕掛けて行きたいです。お待ちしております!」
文:井上麻子 写真:北浦汐見