爽やかな秋晴れの3連休。11月4日(土)と5日(日)の2日間、「池袋西口公園グローバルリング」「中池袋公園」の2箇所で「TOSHIMA STREET FES 2023」が開催された。ストリートカルチャーを一同に集めた本イベントの様子をレポートする。
アスリートと体験するアーバンスポーツ
「豊島区をストリートカルチャーの聖地に」をテーマに掲げ実施された本イベントは、ブレイクダンスやパルクール、ライブペインティングなどのストリートカルチャーを一同に集めた祭典だ。第1回目である今回は、国内外で活躍するアーバンスポーツのアスリートが参加するバトルやワークショップに加え、アート、ミュージック、フードエリアなどで朝から夜まで1日中楽しめるイベント。豊島区から世界へ、ストリートカルチャーを発信していく2日間であった。
1日目は池袋西口公園のグローバルリングにて、アーバンスポーツの体験を実施。ダブルダッチ、ブレイクダンス、パルクール、フリースタイルフットボール、フリースタイルバスケ、けん玉の6つのブースが設けられた。
ダブルダッチでは子どもと一緒にジャンプしたり、バスケットボールは指先で回すのではなくペンを使ったりと、初心者や子どもでも楽しめるように工夫が凝らされていたのが印象的。
子どもたちが楽しそうに体験しているのはもちろん、その様子を見守る保護者も楽しそうであった。
豊島区をストリートカルチャーの聖地に
今回が初めての開催となる本イベント。主催者である株式会社Xcountryの鴇崎さんに開催への想いを伺った。
「もともと数年前から豊島区でアーバンスポーツのミックスバトルや、豊島区の幼稚園生や小学生向けにアーバンスポーツの体験イベントをやっていました。それをもう少しストリートカルチャーに全体に広げていくようなイベントとして、音楽やアートと絡めていくフェスができないかなと思って。豊島区さんにお話をして、じゃあやってみようとなったのが始まりです」
さまざまなカルチャーが根付く池袋。『池袋ウエストゲートパーク』があるように、ストリートカルチャーの聖地が西口公園なのでここでやりたいと思っていたそう。
準備から当日まで楽しくできたという鴇崎さん。
「子どもから大人までたくさん来てくれて。子どもたちにとっては初めて触れたり見たりするものがたくさんあると思います。楽しんでいる子どもたちの顔が見られてとても嬉しいです」
初開催となった今回。今後このイベントはどうなってほしいのだろうか。
「今後はただ大きくするのではなく、うまくみんなに受け入れられながら大きくしていきたいですね。ストリートカルチャーは一見ヤンチャというイメージがあると思うんですが、かっこいいとか、楽しい側面をもっと見せて、区民の皆さんと一緒に作り上げていたらいつの間にか大きくなっていた、という形が理想です。そうすれば長く皆さんに愛されるフェスになっていくと思います」
スポーツだけでない、ストリートカルチャーを丸ごと楽しむ
本イベントでは、アーバンスポーツの体験だけでなく、アートや音楽を楽しめるコンテンツも用意されていた。
ストリートカルチャーとアートを掛け合わせたワークショップや塗り絵体験、NFTアートが楽しめるコーナー、大迫力のライブペインティングが間近でみられる企画や、TikTokとのタイアップ音楽イベントや、夜は大人気MCバトルが池袋のまちを盛り上げた。
スポーツやアート、音楽のプロたちが集まり、パフォーマンスを間近でみられたり、一緒に体験ができたりと、ストリートカルチャーにどっぷりと浸れる2日間。
池袋というまちには、これまでさまざまなカルチャーが入り混じっていたからこそできたのだろう。
また、イベントでは体験を通してたくさんのコミュニケーションが生まれていたところも印象的だ。スポーツやカルチャーの持つ、みんなをひとつにする力を改めて感じたイベントであった。
今後のTOSHIMA STREET FESの開催も期待して楽しみに待っていよう。
文:長 紅奈見 写真:北浦 汐見